
我輩は基本的に人付き合いが苦手で。
独りで居た方が気楽で落ち着く。車中泊は、そんな我輩に独りの時間が確保できる唯一の場所である。
我輩は車内に引きこもり。
誰にも邪魔されずに気楽に自分だけの時間を過ごしていたい。しかし、そんなわけにはいかない現実がある。
生きるためには働かなければならないし。
我輩には家庭があって。守らなければならないものもある。
仕事が終わって車に戻り、ため息をひとつ。
タバコに火をつけて、食事の準備をしながら1日の終わりを感じ、日付変更線を間近に感じながら少ない自分の時間を満喫する。
車中泊と引きこもりは相性が良い
車中泊と引きこもりは相性が良い。
我輩はもともと、自宅に自分のテリトリーが確保できていない。
そのため、どこかに自分だけの領域を確保したかったのである。
まさに車の中というのは、一定の空間の中で自分の領域を手軽に確保するにはうってつけではないだろうか。
コンビニ勤めをしていると、夕方会社帰りの方が数時間、車の中で時間を潰しているのをちょくちょく見かける。
会社と自宅の往復の毎日の中で。
帰宅途中にあるコンビニは、ちょっとした寄り道には最適なのだろう。
帰るには少し早くて。かといって直帰するのも…。
その気持ち。
ものすごくわかる。
我輩はそのまま帰らないという選択をしてしまった人間でもあるのだから。そこで踏みとどまってしっかり家に帰っている人は、とても素晴らしいと言えるだろう。
今思えば、我輩のやっていることはすべてが矛盾しているのかもしれない。
コンビニという人とのコミュニケーションが必要不可欠である職種で働き、家庭を持っているのだから。
まさに、自分では決められない。
流されるがままに生きていた者の末路と言ったところかもしれない。
全て自業自得で。
自分の弱さが仇になってしまった結果でもあるのだが、それでも人生捨てたもんじゃないなと感じたこともあったわけで。
「コンビニ店長、ときどき引きこもり中年オヤジ」
が、今の我輩には人生の負け組が見つけた落としどころというわけだ。
だが、このまま着地点が現状維持ではつまらないと感じているのも事実で。
何か自分にできる、挑戦してみる価値のあるものを模索している。
人生の折り返し地点にいる我輩のこれからを。
考えていくつもりだ。
引きこもりが仕事をするときのスイッチ
人付き合いの苦手な我輩が、コンビニという小さなお店を切り盛りしているというのは。
とても滑稽でおかしなものである。
普通に考えたら、人との関わりのあることを避けて働ける職業を選ぶのが得策なのだから。
昔は、自分で選択肢を狭めていたのかもしれない。
限られた選択肢の中で、逃げるように選んでしまったのが、コンビニ社員だった。
”慣れ”というものはある意味、怖い。
こんな我輩でも、無理やりにでも仕事場に出向き、慣れない接客などをしていると、自分の中に「コンビニ店員」という人格をつくりだしてしまう。
仕事をするときは、その人格と交代すればよいのだ。
いわゆる、「スイッチ」というものを自分の中につくりだし、そのON/OFFをすることで、自分を形成している。
「煙草に火をつける」
これが、我輩がスイッチを入れるときにやる行動だ。
煙を体内に取り込み、大きく深呼吸するように煙草を吸う。
ただ無心に煙草を味わい。自分の中に存在している”仕事をする人”を探す。
煙草の匂いに引き寄せられるように、その人は暗闇から現れ、愚痴をこぼしながら交代してくれるのだ。
ストレスが蓄積するとスイッチがはいらなくなる
コンビニで働いていると、いろんなことがある。
「理不尽なお客様対応」
「急なシフト交代」
「従業員同士のいざこざ」
「お店の経営不振」
など。さまざま。この4つのことがらでも、人絡みは3つもあるわけで。
もともと人付き合いの苦手な我輩にとっては大きなストレスを生んでしまう。
そのストレスは、ときとして我輩のつくりだしたスイッチに悪影響を及ぼしてしまうのだ。
我輩が煙草を吸うと、その「仕事をする人」は言う。
「最悪だ」と。
こうつぶやく彼は、我輩と何も変わらない、ただの「引きこもりの中年オヤジ」に見えてしまう。
そんな彼と交代しても、仕事がはかどるわけもなく。
ただ、シフト業務を淡々とこなすことしかできなくなる。
車中泊で引きこもる
我輩は車中泊を始めてもう長いので。こうなったときの回復場所がある。
店から離れ。
誰にも邪魔されない自分にとって特別な場所だ。
そこで、我輩は好きなお酒を飲み。
好きなものを食べ。好きなアニメを見て自分だけの時間を過ごす。
そして、眠くなるまでアニメや映画を見て、目覚ましをかけることなく眠りにつく。
この時間が我輩にはとても居心地が良く、「仕事をする人」にもかけがえのない時間となっている。
自分の時間を持つことは大切
自分の時間を持つということは、とても大切だ。
ストレス社会でもある今の世の中を生きていくのはとてもつらい。
我輩にとって車中泊は、唯一の自分の時間をつくることができる手段だ。
車中泊は「飽きた」のも事実なのだけれど。
ストレスに押しつぶされそうになると、結局逃げ場所となるのは”車の中”なのである。
飽きのこない、新しい車中泊の過ごし方を見つけなければならない。